地方の書店への想いと、本入荷のタイムラグに出会う

いよいよ今年も年末が近づいてきました。
この時期になると毎年のように、日々ソワソワ・ワクワクを繰り返しています。
これまでだと、12月中旬に税理士試験の合格発表があったから?
(今年は11月末でしたね。次への初動が早くできるので、この変更は喜ばしいのではと思います!)
いえいえ、私にはそれよりも大切?なことがあるのです。
それは・・・
箱根駅伝のエントリー発表、そして年末のオーダー発表!
メンバーを見ながら各大学のオーダーを予想し、
オーダー発表後は当日変更を含めた戦略を予想し、順位予想をしたり。
Web上の情報に限らず、様々な記事を読み漁って楽しませてもらっています。
今年も例年の如く、お決まりの箱根駅伝関連雑誌を購入(or購入予定)。
amazonでの購入も考えましたが、あえて近隣の書店にて購入しました。
書店は減少の一途。近くにあるだけありがたい。
公益社団法人全国出版協会のデータによると、国内の書店数は、
2000年 21,495件
2020年 11,024件
と、この20年で半減しています。
私自身の周辺を例にとると、
20年前まで下関で生活しており、徒歩圏内で5つの書店(古書店を除く)がありました。
個人店、もしくは、市内で複数店舗を経営する書店でした。
そして現在、同じ場所に戻ってきましたが、当時あった5つの書店は全て存在していません。
これに変わって、やや離れた場所の郊外型ショッピングモール内またはその周辺に中規模の書店が出店しています。
これらは全国各地に店舗がある書店です。
新刊書店の事業は、書籍に限ると、一般小売とは仕組みが異なり、利益率は低いです。
委託配本や再販制度の仕組みにより守られている部分はありますが、そもそも売れなければ店は潰れてしまいます。
売れる本を沢山仕入して販売すればよい、と考えても、
店舗としての販売実績が良くない→配本数減→売れる本の配本減(発売日に手元に少ない)→追加発注で補う→発注量より配本数減(売れるお店が優先)→売り時を逃す
なんてことも。
一番の売り時を逃してしまう負のサイクルにはまってしまうと、経営は厳しくなります。
こうなると買い手としても、事業の仕組みに勝るamazonに頼りたくなってしまいます。
しかし、
- 目的なく立ち寄って、棚を眺めて購入したいor発見したい
- 本を手に取って中を見比べて購入したい(参考書などは特に)
- 売れ筋本の傾向から時勢や流行りを捉えたい
- 新刊本を即日購入したい
などなど、店舗としての書店の需要はあるはず。
都市部で駅の大半に書店が併設しているような環境であればいざ知らず、地方都市であれば最寄りに書店があることはそれだけで価値があるのです。
お子様がいらっしゃる方は、「最寄りにコンビニの書籍コーナーしかない環境」を想像していただくと分かりやすいかもしれません。
購入はwebでもできますが、棚を見るのは店舗があってこそ。
そこになければ、触れることはできないのです。
だからあえて、街の書店で購入できるものについては、書店を利用しています。
(専門書は急に必要になったりするので、amazonプライムでの購入ルートを確保していますが)
地方では発売日当日に届いているとは限らない!
昨日(21日)、20日発売日の雑誌を購入しに書店へと行きました。
棚を見回したものの、無い。
売り切れかな? せっかく店舗で買おうと思ったのにな。
と思いつつ店員さんへ在庫確認をし、その回答を聞きながら過去の記憶が蘇りました。
ここ(下関)は1、2日遅れて発売されるのだった!
学生時代はこんな話をよく聞きました。
「北九州は下関より発売日が1日遅いので、週刊少年ジャンプをあえて下関に買いに来る。」
今はどうか分かりませんが、当時は本州と九州で発売日に1日差があったそうで。
もちろん、関東と山口でも発売日に差があります。
コミックの発売日一覧を見ながら、
「16日発売だから、18日には並んでるはず…」
と。
新刊本を発売直後に買おうとしたことで、懐かしい事実を思い出すことになりました。
あ、目的の本は22日入荷とのことでした。
「20日発売なので、22日に入荷の予定ですね。取り置きしておきますか?」
店員さんのこの言葉にもこれから再び慣れてゆくのでしょう。
web購入に対して劣る、ということではありません。
20年前と同じく、取次を経由し、同じルートで商品が運ばれ、同じ制限速度の道路を走る以上、起こり得ることでしょう。
発売日に届くことだけが価値ではありません。
私は書店実店舗に価値を見ています。
まとめ
地方の書店を利用しながら考えたこと、気づいたことについて書いてみました。
電子辞書と紙の辞書の比較で聞いたことがありますが、
「電子辞書は目的へ直接達することができる。
紙の辞書は目的の周辺や、探す過程で目に入るものにも触れることができる。」
というものに近いかな、と感じています。
どちらにも良い点があるので、使う側が選択できる環境があることが望ましいな、という想いです。